サウンドまんぼう。

ポータブルオーディオのこととか。あと自論。

NUARL 「Overture」を試す。

 このイヤホンが開発発表されたときはさほど気にしていなかった。ほかに欲しいイヤホンもあったため、発売しても評判を聞いてからゆっくり判断しようとしていた。
 だがファンの注目度が高く、ポータブルオーディオのイベントで試作機に出会うたび、私の関心は増していった。
 そして発売直前のイベントにて、ほぼ最終形の製品を試聴すると、その音に惚れてしまった。静かな環境で聴けたわけではないが、ボーカルの艶やかな音色に心を奪われた。一度の試聴では物足りず、もう一度ブースに寄って聴きたい。それほど印象に残る音だった。

 それではNUARL 「Overture」。ご紹介していこう。

 使用DAP:iBasso Audio DX320EX(AMP11 MK2s)

開発機の試聴環境

 イベントで試聴時間に制限があったため、用意された状態で試聴した。
4段階中、2番目に低域が弱いセッティングだ。
製品とはケーブルのコネクター使用が異なっている。

 この段階の感想は、全帯域過不足なく鳴っており、特にボーカルが近く、キレイに聴こえていた。

パッケージ及び内容物

外箱

 シンプルな外観のケース。裏側には同梱物が記載されており、付属品の多さがうかがえる。
 外装なので致し方ないが、ちょっと粗さがあるのは残念。

印刷物

 マニュアル(日英中語)と、保証書が入っている。

内箱

 イヤホン本体と音調ノズルが姿を現す。
2種類分けられているのは壮観だ。

筐体

 ステンレス製で綺麗な筐体。重量もある。
ケーブル端子は定評ある「Pentaconn ear」*1だ。

 購入時では、ノズルキャップが装着されている。

 ノズル内部にもフィルターがあるため、ノズル交換時ホコリが入り込まないようになっている。これは安心だ。

音調ノズル

 ノズルの長短で2種類×4パターンの低域調整が可能。
マニュアルによると、ノズル長さによる音質の違いは無いようだ。 

ケーブル

 取り回しやすく、イヤホン本体の銀色に合う白銀色でスタイリッシュだ。
プラグは4.4mmバランスだが、3.5mmアンバランス変換ケーブルが付属している(紹介割愛)。

 マグネット式のケーブルタイが付属している。これが非常に優秀で使いやすい。ぜひノベルティや単品販売して欲しいレベルだ。

収納ケース

 大きさに余裕があるが、持ち運びには少々大きいか。中の仕上げも高級感あるものとなっている。
 ノベルティでおなじみのマイクロファイバーポーチ(白)が封入されてたのはうれしい。

 おなじみのケースと大きさ比較

イヤーピース

 シリコン系2種と、フォーム1種が同梱されている。

装着感

 形状的に悪くはないが、筐体の重さが足を引っ張っている感はある。
耳の形で支える感じになるので、耳が小さい方は注意したほうがいいかもしれない。

(付録)音調ノズルの音質変化について*2

※ブランドの設計思想を汲み、本項目は推奨されなくなりました。筆者の音の感じ方として参考程度に留めてください。

 

 入念に聴き比べたわけではないが、筆者が感じた音の変化を記しておく。参考になれば幸いである。

 表記は低音の多い順。赤軸を基本とした相対評価で長ノズル使用。

 低音が強調され、ノリよく音楽が聴ける。だが低音がボーカルに被り、持ち味が薄まってしまう印象。

 赤軸より低音が増し、個人的にバランスはいい。だが赤軸と比べてしまうと物足りない。

 筆者おすすめのチューニング。適度な低音とボーカルの距離感・艶めかしさが秀逸。

 赤軸よりボーカルが明るくなった印象。

総括

 試聴した時と同じ音を感じられたため、筆者としては非常に満足している。
価格は安いわけではないが、音調ノズルの音の変化をゆっくり楽しんでいくには十分ではないだろうか。自分が納得する音が見つかればよいのだが…。

 

2023.08.13 編集
2023.10.01 追記

*1:MMCXとは違うので注意

*2:2023.10.01追記